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自己流テーピングはやめよう
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「足首が痛いので、テーピングの巻き方を教えてください」。時々聞かれる質問です。テーピングの巻き方を聞かれた際、基本的には教えません。これは意地悪で断っているわけではなく、自己流テーピングをする事で、逆に身体を悪くしてしまう可能性があるからです。テーピングを巻く・貼る専門家は、根底に解剖学の知識を有しています。身体の構造を熟知した中で、テーピングを用いります。一人ひとり身体の作りが異なる中で、その人・部位に即したテーピングを選択しています。また、テーピングのテンションや圧等の調整は、絶対的な経験値が必要になります。これら全てを吹っ飛ばし、巻き方だけを教え、自分達でテーピングを見ていないところで行うのは非常に怖いというのが、私の意見です。

テーピングの種類を大きく分けると二種類。関節を固定するテーピングと、筋肉繊維に沿って貼るキネシオテープ。特に関節を固定するテーピングの巻き方を聞かれた際には、断ります。関節固定テープは、関節が動くことによって痛みなどの症状や病態が悪化してしまう事を防ぐため、もしくは怪我の予防時に用いります。しかし、関節というのは本来動く場所です。それをテーピングで動かなくする、あるいは動きを制限するのです。となれば、人間本来の動きとは違う動きを作ることになるので、誤った使い方をすれば、怪我に繋がる、もしくは病態の悪化に繋がる可能性があるという事です。

キネシオテーピングは、関節固定テープほど誤った貼り方をした場合のリスクは少ないといえます。しかし、貼り方によっては筋力発揮(力を出すとき)が低下したり、腫れやうっ血の要因になってしまいます。

テーピングをする時は、専門家に巻き貼りをしてもらう事をお勧めします。ただ、巻き貼りをお願いできない場合もあると思います。その時はサポーターを用いることが良いです。昨今、様々なサポーターが販売されており、非常に質が高いです。サポーターは誰でも簡単に装着するだけで、その機能を有することができるよう設計されているので、自己流テーピングより、安全面が非常に高いといえます。また、継続的に使う場合、テーピングよりコストを抑えられるメリットもあります。

ついついやってしまいがちな自己流テーピングはお勧めしません。もし行う場合は、専門家指導の下、練習を行ってからにしましょう。

筆者情報

プロテニストレーナー&テニスコーチ

菅尾 祐助

小学生からテニスを始める。高校卒業後渡米し、アスレティックトレーニングを学ぶ。帰国後、菅尾アスレティックトレーニングセンター(S.A.T.C)を設立し、アスリートやスポーツ愛好家の怪我やリハビリ、トレーニング、コンディショニング等をサポート。また、はちおうじ庭球塾(八王子テニススクール)にて、ジュニア育成に従事。

怪我やトレーニング、テニスサポートのご相談はS.A.T.Cまで。
ジュニア育成は、はちおうじ庭球塾まで。
お問い合わせはこちらから。

(株)S.AT.C 代表取締役
テニスメディカルトレーニングラボ(TMTL) 代表
はちおうじ庭球塾 塾長
特定非営利活動法人スポーツライフネットワーク 代表理事
鈴木慶やすらぎクリニック アスレティックトレーナー
境界なきアスリートサポート 共同代表

米国公認アスレティックトレーナー (NATA-ATC)
米国公認ストレングスコンディショニングスペシャリスト (NSCA-CSCS)
インターナショナルテニスパフォーマンス協会公認
テニスパフォーマンススペシャリスト (ITPA-CTPS)
アメリカプロテニス協会公認 プロフェッショナルテニスコーチ
アスレティックトレーニング修士 (MS)

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