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【管理栄養士 川合雅美氏】ジュニア期のプロテインについて
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 うちの子、栄養足りているの? プロテインを飲んだ方が良いのかな? よく、競技スポーツをするお子さんを持つご父兄から、このような質問を受けます。 タンパク質は、体内で、体を作ること、または、体を動かすエネルギー、体を修復するエネルギー源として必要とされます。 筋肉を作りたい時、激しい運動でエネルギーを使った時にも、しっかり補わなければなりません。
 
 では、タンパク質をたくさん摂れば、良い筋肉がたくさんできるかというと… 食事でしっかりタンパク質を摂ることができている場合、プロテインを補うと過剰摂取が起こります。そうすると、肝臓と腎臓に負担がかかり、パフォーマンスにも悪影響を及ぼすことがあります。 『最近の子は、すぐ疲れてしまう』と思ったり、言われたことのある場合、過剰摂取にも気をつけてください。 良かれと思いプラスしたことが、悪影響を及ぼすことがあるなんて、驚きですよね。

 では、実際、どのくらいのタンパク質を摂れば良いのでしょうか。年齢や性別、運動強度によって異なりますが、体重1キロに対し多くても1.5グラム前後のタンパク質が適量と言われています。 45キロの人の場合、1キロ1.5グラムで計算すると、1日約70グラム前後のタンパク質を摂取することになります。 食べ物の中には、どれくらいのタンパク質が含まれているかという、具体例を紹介します。

・ごはん300g ー7.5g
・食パン6枚切 ー5.8g
・パスタ120g ー9.8g
・牛乳コップ1杯 ー6.6g
・木綿豆腐1/2丁 ー9.9g
・納豆1パック ー12.4g
・牛もも肉100g ー20.2g
・豚もも肉100g ー20.5g
・まぐろ5切れ ー15.8g
・たまご中1個 ー8.6g
 
 意外と食べ物の中に、タンパク質が含まれています。 ですが、なかなか計算しながら食べるのはむずかしいことです。そこで、主菜のおかず(肉や魚など)一口、ご飯二口、副菜(野菜のおかず)一口、ご飯二口という食べ方で食事をすると、自然とバランスよく食べることができるようです。プロテインのサプリメントに関しては、成長期の小中学生、できれば高校生にも、必要がないと考えます。なぜなら、サプリメントを利用しなくては動くことができないような運動量は、発育発達に支障をきたし、貧血、やせ、疲労骨折を引き起こす原因になってしまうこともあるのです。そこで、3回の食事に、補食をプラスし、そこから摂取することのできる栄養と同じくらいの運動量に調節することが、ゲガが少なく、寿命の長い優れた選手を育てることに繋がっていきます。

 まずは、おかず一口、ご飯二口! ぜひ実践してみてください。

 参考文献 スポーツ栄養学 鈴木志保子著

筆者情報

管理栄養士

川合雅美

栄養相談など、ご質問のある方は是非ご連絡ください。
masami1224r702y@gmail.com

一男一女の母 子供たちの競技テニスを11年に渡りサポートしました。 ジュニア期の栄養に疑問を持ち、スポーツ栄養を学んでいます。 わが子たちは、テニスを卒業しましたが、お母さんの目線で、次世代のジュニアを応援したいと活動しています。 お母さんのような栄養士として、皆さんに寄り添うことができたらと思っています。

神奈川県立栄養短期大学卒業 味の素(株)で食品分析を行う 退職し結婚。育児がひと段落したところで管理栄養士免許取得

学校給食、介護施設の給食 乳幼児の栄養相談 老人教室の栄養講話を担当 テニスクラブでジュニアの栄養講話 新人プロ選手の栄養サポート メタボと診断された人への保健指導 などを経験

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