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足が速い=フットワークが良い!!にはならない。
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アスレティックトレーナーとして、しばし受けるこの質問。
「足は速いのに、フットワークが悪いです」
この質問や疑問を持つ選手は、おそらく
【足が速い=フットワークが良い】
と思っているのではないでしょうか。

必ず、ではありませんが、
「足が速い=フットワークが良い」は成立しません。
答えは簡単です。
足が速い、即ち走力とフットワークは、そもそも違う能力だからです。
「足が速い」は、50mや100m走に代表されるように、
「ゴールに向かって一直線により早いタイムで走る事ができる=足が速い」
と言えます。
しかし、テニスにおけるフットワークは
一直線に速く走ればよい、という事にはなりません。
もちろん速いにこしたことはありません。
しかし、一直線に走り、逆をつかれたらボールに追いつけません。
速く走っても、自身の打点に合わなければいけません。
そもそも打点に入る前に、「走る」という動作は適切な動きなのか?!

テニスにおけるフットワークは、「走る」という動作も含まれますが、
走る以上に大事な事は、「フットワークはステップワークである」という事です。
考えてみて下さい。スプリットステップの後、打点に入るまで走りますか?!
ほとんどのボールに対して、ステップワークで入っていませんか?
「走る」という動作は、予想される打点までに距離があり、
且つ、その打点にしか行かない!!という状況以外、走るべきではないのです。
「走る」事が要求される一番多いシチュエーションは、ドロップショットを打たれた時や、
外に追い出され、オープンコートに打ち込まれる事が予想される時です。
逆を言えば、それ以外のシチュエーションは、ステップワークで移動する事が良いと考えています。

予想と逆に打たれる。
イレギュラー。
ネットイン。
打点に良い形で入る。
打った後の切り返しを速く、スムーズに行う。

これら、テニスにおいて日々起こる現象。
「走る」では対応できない状況です。

体力やスピード向上の為、走るトレーニングは必須ですし、
実際私の選手達にもラン系のトレーニングをやってもらっています。
しかし、もしこれを読んでくれている方が、フットワークで悩んでいるのであれば、
トレーニング内容は、「走る」ではなく、「ステップワーク」の向上に努めるべきかもしれません。

しかし、同じ「フットワークが悪い」「フットワークが遅い」でも
選手一人ひとり、その内容や原因は異なるので、自身の欠点や改善点を理解した上で
トレーニングを行う。もしくは、トレーナーにトレーニングメニューを作ってもらう事をお勧めします。

筆者情報

プロテニストレーナー&テニスコーチ

菅尾 祐助

小学生からテニスを始める。高校卒業後渡米し、アスレティックトレーニングを学ぶ。帰国後、菅尾アスレティックトレーニングセンター(S.A.T.C)を設立し、アスリートやスポーツ愛好家の怪我やリハビリ、トレーニング、コンディショニング等をサポート。また、はちおうじ庭球塾(八王子テニススクール)にて、ジュニア育成に従事。

怪我やトレーニング、テニスサポートのご相談はS.A.T.Cまで。
ジュニア育成は、はちおうじ庭球塾まで。
お問い合わせはこちらから。

(株)S.AT.C 代表取締役
テニスメディカルトレーニングラボ(TMTL) 代表
はちおうじ庭球塾 塾長
特定非営利活動法人スポーツライフネットワーク 代表理事
鈴木慶やすらぎクリニック アスレティックトレーナー
境界なきアスリートサポート 共同代表

米国公認アスレティックトレーナー (NATA-ATC)
米国公認ストレングスコンディショニングスペシャリスト (NSCA-CSCS)
インターナショナルテニスパフォーマンス協会公認
テニスパフォーマンススペシャリスト (ITPA-CTPS)
アメリカプロテニス協会公認 プロフェッショナルテニスコーチ
アスレティックトレーニング修士 (MS)

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